前回は外向的感情、Feについて紹介した。今回はFeとペアになる内向的思考、Tiの話である。Tiは判断と意志決定に関わる4つの機能のひとつになる。ある意味でTiとは最も重要な機能である。ユングは自分を内向思考型だと言っていた。あれは何故かと言うと、初期の構想では内向思考型と外向感情型しか存在しなかったためである。実際は、「いや、お前は電波だからNiだよ」と思う人間が多かったので、「ユングはTiかNiか」という論争が発生したが、ユングの言う内向型とはTiのことだったのである。私は初回にユングをNiと言ったが、あれはビーブの発言が由来である。つまり、ビーブもユングを電波だと思っているのである。
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前回は内向的感情について解説したが、今回は外向的感情、アルファベット表記ではFeを取り上げる。外向的感情はTeやFiと同様に判断機能である。TeがFiとペアになるように、Feは常にTiとペアになる。「感情」と言うと、いかにも思いやりがあって人の気持ちがわかるような印象を受ける。真実は、FiもFeも人の気持ちなどわかっておらず、「わかったつもりになっているだけ」、または「わかったふりをしているだけ」なのだが、お互いにこの設定を独占することは難しいと思ったのか、「Fiはシンパシー、Feはエンパシー」という停戦協定が作られて、何となくそういうことになっている。
続きを読む実は類型論に触れた多くの人々は心理機能を理解していない。定義や特徴については熱心に考え、「発想力」を競い合うが、機能同士の関係や役割については頭がお留守である。それも無理からぬことで、ネットの診断やサイトに掲載されている説明は、読者を煽てて良い気分にさせることに全力を注いでいる。「INTPは独創的な思考ができます」「Niは本質を見抜く洞察力です」などの誉め言葉に気を良くして「わたし病」にかかった人々が、ネット上に大量発生している。実際は名乗ってもらわないと何のタイプかわからないし、言っていることは妄想か周囲への恨みつらみか自己分析風ポエムでしかないので、個性もクソもない。
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